高橋ツトム先生の作画方法が公開され、あの絵タッチの秘密が判明

スカイハイや地雷震などの人間の闇に切り込んだ漫画を描き続ける高橋ツトム先生ですが、Eテレの浦沢直樹の漫勉という番組で密着取材されていました。放送日は2016年9月29日で、その頃執筆していた残響の現場がカメラに収められてます。

描き味から筆なんだろうなとは思ってましたが、独自の方法などがあり「うぉ~こうやって描かれていたのか!」と感動してしまいました。

漫画家が作画を公開するのって、いわば企業秘密を明かすようなものだと思うんですよね。それが見れてしまうこんな素晴らしい番組があろうとは・・・。

筆とボールペンで漫画を描く

キャラクターのメインの線は筆ペンで行い、細かい部分はボールペンで描いてました。

やはり描き慣れているだけあって、筆ペンでもかなり繊細な線を描いていて感動。筆ペンひとつでここまで描けてしまうのか・・・。しかもかなり描くのが早い・・・。

そして何と言ってもボールペンという。丸ペンやミリペンではなく、ボールペンで細かい部分を描画してました。

どうやら”かすれ”という部分に魅力を感じてるらしく、キレイすぎない線が好きとのこと。なのでGペンのようなキレイな線を描ける画材は使わないとのこと。わかる!わかるで!高橋ツトム信者はあの大胆な線が好きなんや!

水墨でトーンを再現

高橋ツトム先生の漫画で一番謎だったのがこれ。淡い色合いのトーン。一体どうやってるんだろう、デジタルかな、重ね貼りして削ったりしてるのかな?手間かけてるなぁ、なんて色々思ってたけど実際は全然違った。

トレース台で原画の上にもう一枚原稿を乗せて影を水墨画でささっと描き、スキャンで取り込み重ねてプリントするというものだった。何というかデジタルとアナログの中間といった印象。

トーンをそんな風に描く方法があったかーって感じだった。トーンを貼る作業やお金を考えると結構バカバカしくて、別になくてもよくね?なんて思って僕自身はトーンを貼ることをやめてしまった。

それでもトーンってやっぱり漫画の演出には重宝する画材なんですよね。

しかも爆速で終わるらしく、一人でやってて10枚30分程度とのこと。これは半端ない。

やっぱり一人で描いているらしい

かなり個性あふれる絵柄なのでアシスタントがいたとしてもトーンくらいかなぁ・・・なんて思ってたら、全部一人でやってるらしい。

背景の下書きだけアシスタントが描いて、先生がペン入れするなんていうのを想像してたんだけどまったく違った。ベタの入れ方とかかなり独特だから、ここらへんの処理はアシスタントに任せてなさそうだなぁとか思ったけど、アシスタントも音を上げる原稿執筆を一人でこなしているとは恐るべし。あれ?連載掛け持ちしてる時もなかったっけ?とか思ったりした。

と、かなり漫画の勉強になるテレビ番組だし、業界に興味がある人は見て損ではないと思う。NHKのサイトで番組を見ることができますよー!インタビューとかもあってファンの人は楽しめるはず。

どうも、ぷ~ちんです。

この画風に憧れて色々と試行錯誤して筆を頑張って使ってましたね。なかなか思ったような線が描けないんだけど、それがまた楽しいというかなんというか。