映画「サイコ」に習うストーリー破綻の魅力

サイコサスペンスの傑作にして始まり「サイコ」は、サスペンスの神様と呼ばれていたヒッチコック監督による映画です。
サイコでは、とんでもないストーリーの破綻がありますが、あえて破綻させることで物語をより魅力的なものにしています。
漫画でも習うべき点は非常に多く、一度見て欲しい映画でもあります。

サイコの30分は、まったくの無駄

サイコ白黒映画で、かなり古いサイコはいつ見ても衝撃的な作品だと思います。
どんでん返しが魅力であり、ジェットコースターのようなストーリー展開で観客を魅了しました。

主人公だと思っていたキャラクターが死ぬ

そう、ここが一番のストーリーの破綻です。
冒頭から登場し、主人公だと思っていた女性が開始30分ほどで死んでしまうのです。起承転結では一応「起」の部分ではあるものの、女性を中心に物語が動き、職場や身近な人の説明などもされていたのに死んでしまうのです。
この30分間は映画の本編とはまったく関係ない部分であり無駄になるわけです。

無駄だけど無駄じゃない

何を意味のわからないことを言っているんだと思われそうですが、主人公を殺してしまうこと自体は決して無駄ではないのです。
物語としては無駄になるのですが、作品としては「これから何が起こるかわからない!」と思わせ何倍も魅力的にしています。

サイコの魅力はなんなのか

一言で言えば「衝撃」でしょうね。
見てる側は、予想でいない斜め上を行く展開に期待してしまうわけです。
これから何が起きるのか?どういった結末を迎えるのか?といった好奇心を刺激されます。

破綻させた後のフォローが大事

よりショッキングな演出をすることでインパクトを与えることも大事だが、物語のラストやクライマックスをより一層衝撃的なものにしなければいけません。
ラストを考えずに物語を組むと、それこそ面白みのないストーリーになってしまい破綻してしまいます。
魅力的に破綻させるには、綿密なストーリー構成や伏線、ミスリードなどの高度な構築が必要になってきます。

巨匠ヒッチコックも悩んだ

ヒッチコック映画「ヒッチコック」というものがあります。
こちらでは、サイコの映画製作をしているヒッチコックを描いています。
舞台裏や映画製作の悩み、夫婦の絆を中心に物語が回ります。
サイコという映画を取るために、認可が降りず家を担保にいれようとしたり、倫理協会が許さないぎりぎりの演出に挑戦したり、ラストは決まっていても中盤の演出がイマイチで観客に衝撃を与えられなかったりと苦悩が描かれています。

悩みに悩み、周囲から反対され、批判され、それでも生み出した難産な作品がサイコだと感じました。
だからこそヒッチコック最高の映画として語り継がれたのではないかと思います。

どうも、ぷ~ちんです。

一度は見て欲しい映画です。