ラスト5分に全てをかけた「アイデンティティ」に騙された!

アイデンティティはサスペンス映画で、ジョン・キューザックが主演を務め、衝撃のラストでたぶんほとんどの人が驚いたと思います。僕も見事に騙された!

以下ネタバレになります。

ミスリードが見事すぎる映画アイデンティティ

アイデンティティで見事なのがミスリード。本当に素晴らしく爽快に騙されました。気持ちのいいノックアウトでしたね。

僕は前情報などなく見たのでラストが衝撃かどうかも知らなかったので、その点でとても楽しめました。

あえて読みやすい展開にしている

死刑囚のマルコムのシーンとモーテルに集まった11人のシーンの2つで構成されています。

ここでマルコムというキャラクターが何も関わってない点、そして多重人格ということで、モーテルの11人はそのマルコムの中の11人の人格だということが予想できます。映画内では解離性同一性障害という難しい言葉を使い視聴者に少し伏せた形でちょっとした驚きを提供していました。

確信に変わる場面は、マルコムの責任能力のなさを証明するために医師が行なったという治療。人格を1つだけにするというもので、モーテルで次々と死んでいく11人は人格が消えていっているのだなとわかります。

ココらへんの伏線は非常にわかりやすく、正直見ている時は並だな~と感じてました。しかし、この並がすでに作者の手のひらの上でありミスリードだったのです。

死体が消えるなどの不思議な現象

そう、人格を消しているのでアイデンティティのモーテルにいる11人は現実には存在していないわけです。なので、死体が消えたりといった不思議な現象も視聴者は受け入れやすいです。

この死体が消えるので見事なのが、真犯人ごと姿を消すという点。

普通死んでしまって死体を見ていなかったら、それが伏線になり「あ・・・あいつが犯人かも」みたいな予想がつくのですが、現実ではないという設定を上手く使い他の死体も消すことで、真犯人を違和感なく闇にひそめることに成功しています。

しっかりと犯人を置きミスリード

囚人を護送していたロードという警官が最初から臭うな~と思ってたら、案の定といった感じで、警官ではなくこいつ自身も囚人だったという。護送されていた囚人は2人だったという点。

ちょいちょい怪しい面があって、こいつが真犯人みたいな感じで落としてきたの見事。この点でかなりスッキリしてしまうのも良いミスリードだったと感じました。

衝撃はあるけどアンハッピー

ラスト5分の衝撃がある分、ハッピーエンドではないという点は人を選ぶ映画だと思います。

しかしその分、学べる点も多いと感じました。伏線や視聴者を気持ちよく騙す構築が非常に面白かったです。

ミスリードをまとめてみた

アイデンティティでのミスリードをまとめてみました。ほとんど自分のためですがw

  • 多重人格という設定で集められた11人の謎で驚かそうとした点(視聴者に現状を理解させクライマックスへ突入)
  • 人格が消えるということを利用した死体消滅(自然と読者を納得させ真犯人を隠蔽)
  • 噛ませ犬の犯人で物語を締めくくり、苦味を残しながらもハッピーエンド(悪役との戦いを終え物語が完結したかのように思わせる)

上手く視聴者に予想させ「あぁやっぱりね」なんて思わせてからのカウンターパンチが強烈でした。この視聴者に予想させやすい展開自体がミスリードというのが個人的に面白かったです。

どうも、ぷ~ちんです。

上手い具合にやられました。ありえない事が普通に起こると視聴者に理解させた上での伏線回収は見事。