伏線を知らない人は現代ではほとんどいないのではないかというくらいメジャーな言葉。フラグとか回収とかネットスラングとしても有名になってきていると思います。
漫画でいう伏線は、作り手としては難しいとか抵抗を感じるという人も多いと思いますが、やり方がわかれば自然と組み込めるようになるものだと思います。
伏線の張り方を知る
伏線って漫画などで綺麗に決まると読んでいて気持ちいいんですよね。いわゆるカタルシスにつながります。
伏線の役割は納得させること
伏線のそもそも意味とは「後で起こる事をほのめかす事」となっています。
結果だけ見ると「は?」ってなるようなものでも伏線があると納得できる展開。それが役割です。衝撃を与えるだけであれば、そういったシーンを組み込めば済みますが、納得させるとなるとそうはいかないため伏線が必要になります。
金田一少年とかだと、意外な人が犯人だったりして、その後に過去に起きた伏線を拾いながら証拠を提示して追い詰めていきます。
刑事モノを例に取り上げてみる
昔からよく見るのは刑事モノのライター。仲の悪い相棒と組むことになりますが、ひょんなことから相棒のライターを押し付けられ胸ポケットに入れておきます。クライマックスの戦いで胸を撃ち抜かれますが、相棒のライターが身を守ってくれて命が助かるというもの。
この場合は、ライターを渡すという部分がずばり伏線ですね。嫌いな相手に命を救われるという皮肉もあるのが鉄板ネタとして扱われる大きな部分でしょう。さらに主人公と相棒の絆も深まるという成長要素まで組み込めます。
結果から考えてみる
例を知ってもやり方がよくわからない…。自分もそうでした。
まず、伏線は物語を逆算して組み込むということが大事になってきます。
物語のラストをまず考えて、それにつながるものを前半や中盤で登場させるということです。先ほどの刑事モノであれば、主人公が生き残るためのライターを物語中盤あたりまでに渡す必要があります。
時系列で進み、だんだん結果が見えてくる
道端でよくわからない欠片を拾って、また歩いていると同じような欠片に出会うとします。だんだん集まってきて最後に形がわかるといった感じです。
この何気ない情報という欠片に気づかない人もいるでしょう。そして気づいている人がいたとすれば、それを集めて今後の展開を予想したりなんていう楽しみ方もさせることができます。
完成後に伏線を組み込む
物語の道筋を一通り描いてからチェックすると、伏線を張るべき部分が見えてくると思います。言うなれば修正の段階で組み込んでいくのがいいと思います。
シナリオを描き終えた後に、伏線を張るべきポイントを探しながら意識して読み込んでいきましょう。
伏線を張る時の注意点
謎でも同じことが言えますが、あまりにも多いと混乱してしまうのでバランスを考えていれていくのが必要です。
そしてあまりにも多いと読者に感づかれやすくなり見せたいシーンの衝撃が薄くなってしまいます。程よく片隅に置いておくくらいの気持ちで、それとなくストーリーに組み込んでいきましょう。
ミステリーに挑戦してみる
ミステリーは伏線の嵐です!
ラストの犯人逮捕に向けていくつもの伏線が張ってありますよね。証拠だったり、証言だったり、聴取した人の怪しい顔だったり、綺麗に犯行がつながり動機が露わにされていくミステリーには美しい回収が魅力とも言えます。
中には読者をミスリードするための伏線なども用意したりと複雑なこともしなければいけないので、ミステリーを作る時って構築力と緻密な設計が必要になります。
僕としては伏線に悩んでいる場合、ミステリーを漁るのがいいんじゃないかなと思います。そこから学習し応用する。意識的に他の作品を見たり読んだりするのって大事ですよね。

どうも、ぷ~ちんです。
伏線は漫画の質を上げることができるので、ぜひとも組み込んでいきたいところ。