15の展開に区切ったストーリー構築のテンプレート

ブレイク・スナイダーさんは映画の脚本を研究している人で、そんな研究者が15段階に分けたストーリー展開を参考にして、自分の漫画に取り入れてみるのもいいのではないでしょうか。

15ステップで物語をきれいにまとめる

このやり方を知っておけば、まず漫画などの物語が散らかったりしないというメリットがある。言うなればストーリー構築のテンプレート。

たこ焼き器というテンプレートがあったとしてできるのは同じ形をしたたこ焼きだけど、そこに自分だけのキャラクターや設定という生地を流し込めばオリジナリティとなるわけです。

①オープニング

漫画や映画など見ていて最初にくるのはオープニングですよね。

ここでは、どんな漫画なのか、どんなジャンルなのか、どういった雰囲気でどれくらいのスケールの話なのか、主人公は誰なのかといったものを読者に伝えます。

ダイレクトに言葉などで伝えるのではなく、絵などで想像させるのが物語に引き込むコツ。

②テーマ

ここでは何かしらの事件を起こします。漫画において重要となるテーマのようなことを読者にダイレクトに伝えます。

ワンピースなら海賊王に俺はなる!ですね。

何気ない一言や会話だったり、予言や超常現象、殺人など、ここはジャンルによって様々です。

③セットアップ

漫画の世界観を伝えるためのポイント。

登場人物の紹介だったり、主人公が抱えている問題だったり、成長しなければいけない要素だったり、これから起ころうとしている問題の原因などなどです。

④きっかけ

主人公が旅に出なければいけないというポイント。

探偵事務所であれば依頼が来て現地に赴く、必死に働いていた会社を首にされてしまう、妻との離婚、そういった新しい境地へと踏み込まなければいけない理由です。

⑤悩み苦悩する

新天地で上手くやっていけるかという不安や葛藤です。

突然、家などがなくなってしまったら、どうしたらいいか悩みますよね。

⑥異世界への一歩

ここでは物語に異変が起き、日常から非日常へと進んでいくパートになります。第一のターニングポイントと呼ばれます。

この時、主人公自身が自分の意志で、非日常へと、異世界へと踏み込まなければいけません。不可抗力でも、受け入れる形でも、最後は自分の意志で旅立ちます。

例えば、迷信で100年に一度首狩り族が襲ってくる山村の女性から探偵に依頼があり、半信半疑で赴いたところ、本当に殺人事件が起こり、探偵は捜査に本腰を入れるといった感じです。

⑦息抜き

常に張り詰めていると読者は疲れます。なので、ラブシーンやギャグなどを、異世界への一歩(ターニングポイント)の後にクッションのように置き落ち着かせます。

ホラー映画でセクシーなシーンが多いのはこういう理由があるのです!イチャイチャしてるやつら殺されますがねw

⑧お楽しみ

読者とのお約束的な部分で、予告などで使ったシーンを見せるというもの。軽い感じでさらっと描きます。

メディア展開を意識して作る場合に組み込むものになると思うので、個人的には省いてしまってかまわないと思う部分。

⑨ミッドポイント

物語がガラッと変わるポイントです。いきなりスリリングで駆け足な展開となります。

息抜きやお楽しみが終わり、メインストーリーに読者を引き戻します。

ミッドポイントでは絶好調か絶不調のどちらかにすると後々の展開が安定しやすいです。

⑩迫りくる悪

仮にミッドポイントで主人公が悪を退治し絶好調ということにしておきます。

この部分では悪が体勢を立て直しリベンジする準備をします。

そして、主人公は絶好調であることで天狗になり、仲間から見放されたり、意見の食い違いなどで絆にヒビが入ります。

スターウォーズの同盟軍が初勝利した後のルークとハン・ソロがお互いの意見をぶつけ別れてしまったりするのはこの部分。

⑪全てを失う

ここでは絶好調だった主人公は全てを失ってしまい絶不調へと、どん底へと落ちてしまう部分になります。ミッドポイントとは真逆の展開です。

愛する者の死がよく取り扱われます。恋人だと重いので、師匠などが一番多いです。これをきっかけに主人公が師匠を超えるというのが王道。

人を殺さなくても、不吉な雰囲気だけでも読者に伝えることができます。椿の花がストンと落ちたりなど。

⑫心の闇

主人公が全てを失ってしまいどん底にいる状態で一歩を踏み出す。

葛藤や後悔をしながらも、友のきつく熱い一言でもう一度立ち上がります。

自暴自棄になって自殺しようとしても、最後に主人公は自分なりの答えを見つけ前進します。

⑬主人公の決意

ここは第二のターニングポイントと呼ばれます。

主人公を取り巻くキャラクターとのやり取りや熟考、そういった悩みに悩んだ末に主人公が解決策を閃き、悪と戦うために決意を固めます。

ここで主人公ならではの要素があれば面白くグッときます。例えば、特殊な飛行船を動かすことができるのが主人公だけとかですね。

⑭フィナーレ

ここで描かれるのは主人公の勝利です。子分を倒し、ラスボスを倒すまでを描きます。

今までの物語で主人公が学んできた教訓のまとめと言っていいでしょう。

そして、古い秩序がなくなり新しい秩序が生まれます。これは、例えば悪が民間人を奴隷として扱っていたのを、戦争に勝利することで人々が暮らしやすい世界になるといった感じです。

⑮ファイナル

このファイナルはオープニングと対になっている必要があります。最初に主人公ができなかったことを克服し、成長した姿を見せます。

バック・トゥー・ザ・フューチャーでは、腰抜けと言われて起こっていたマーティが、最後には気持ちの高ぶりを抑えることができるようになり事故に合わずにすみます。

正解などはないけど・・・

もちろん、ストーリー作りに正解などありませんし、絶対なんていうものはありません。こういった人の意見ややり方なども参考にしながら、自分のやり方を織り込むことでオリジナリティある漫画を作っていきたいものですね。

どうも、ぷ~ちんです。

これらの15のステップですがスターウォーズが良いお手本であり理解しやすいと思うのでおすすめです。6作品で合計15時間くらいありますが勉強になります・・・w